「記憶」ではなく「印象」に残す授業

元塾講師の綴る、実践に基づいた教育論。日本の教育を、より良くするために。

当サイトの記事は、書籍のように最初から通読いただくことを想定しております。

もしよろしければ、ぜひ最初からご覧いただければと思います。

目次

最初の記事

相手は「子供」である ~「生徒の印象に残る授業」実践への道筋~【第1章】【04節】

以前の記事で、こちらの絵を示しました。

 

f:id:autobiography:20140906185101j:plain

このピラミッドにおいて土台となる2つの基本的なスキル

「生徒とのコミュニケーションスキル」

「わかりやすく伝えるスキル」

を身に着けられれば、先生としては十分合格、むしろそれだけでも

「いい先生」

と呼ばれるようになるのではないかと思います。

 

ここからさらに欲張って、「生徒の印象に残る授業」を目指すには、

どうすればいいのでしょうか。

 

そもそも、印象に残るのは、いったいどんな時でしょうか。

 

 

以前の記事で、印象に残っている授業について質問しましたが、

今回は授業ではなくても構いません。

 

どんな場面でも結構ですので「印象」に残っていることを

なにか思い出してみてください。

 

特に強く印象に残りそうなことと言えば、

 

  • 好きな人に告白された。
  • 一生懸命勉強して、ついに大学受験に合格した。
  • 仲の良かった友人と突然離れ離れになることになった。

 

といったようなことが考えられるでしょうか。

 

では、それは、なぜ印象に残っているのでしょうか。

ちなみに、「印象」を広辞苑で調べると、次のように書かれています。

 

いん-しょう ・・シヤウ 【印象】(impression) ①強く感じて心に残ったもの。感銘。「―が強い」「よい―を与える」②[美]対象が人間の精神に与えるすべての効果

 

そうです。

「頭」に”記憶”させられたのではなく、

「心」に何かを強く感じることで、印象が残るのです。

 

そして、心が何かを感じるというのは、喜び、驚き、悲しみなどの

感情が生じることです。

 

良くも悪くも心が揺さぶられた瞬間、感情に大きな振れがあった瞬間に、

印象が残るものなのです。

 

では、喜び、驚き、悲しみといった感情を生じやすい人は、

いったいどんな人でしょうか。

 

 

そう、まさに感受性の高い「子供」なのです。

 

 

子供は、大人なら何とも思わないようなことでも、喜びや驚きを感じます。

ですから、先生の授業の相手が感受性の高い「子供」であることを認識し、

子供は特にどんなことに興味・関心を示し、どんなことに喜びや驚きを感じるのかを

理解し、さらにそれを授業に取り入れるよう工夫することで、

「印象に残る授業」を実践できるようになるのです。

 

これに加えて、生徒一人一人の個性にまで着目して、それを引き出すような

授業ができれば、生徒の感情の高まりは最高潮に達し、

「印象に残す先生」としてスペシャリストと呼べるでしょう。

 

目指すべきところは、いわば、

「生徒の特性を理解し、その生徒のためのオーダーメイドの授業を行う」

ことなのです。

 

相手(子供)の特性を理解し利用することが、先生としての「応用問題」、

ピラミッドで言う最上部に相当します。

 

次の記事

授業において最も大切なもの ~Level1:生徒との関係を構築するNLP~【第2章】【01節】 - 「記憶」ではなく「印象」に残す授業

 

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...