「記憶」ではなく「印象」に残す授業

元塾講師の綴る、実践に基づいた教育論。日本の教育を、より良くするために。

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目次

最初の記事

生徒の成功体験を積み重ね、自己肯定感を高めることこそ先生の役目 ~Level1:生徒との関係を構築するNLP~【第2章】【コラム②】

「自分は大切な存在だ」

「自分はかけがえのない存在だ」

 

と思える心の状態のことを、「自己肯定感」と言います。

 

自己肯定感が高い人は、少々のことではめげず

「きっと大丈夫」

「やればできる」

と考え、いろいろなことにチャレンジできるようになります。

 

一方、自己肯定感が低い人は、自信喪失気味で、

「自分なんて、どうせやってもだめだ」

「何をやってもうまくいくはずがない」

といった考えに陥りがちです。

 

 

 

突然ですが、こちらの絵を見てください。

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パッと見た時、どこに着目したでしょうか。

きっと、右下の円が欠けている部分に自然と目が留まったのではないでしょうか。

 

このように、人間は無意識のうちに、「あるもの」よりも「足りないもの」に

意識が向いてしまうのです。

 

先生は何かと、生徒の足りていない部分に目が行きがちです。

 

しかし、その本能の通り、相手の足りないものに注目し、注意ばかりしていては、

相手の自己肯定感を下げてしまい、モチベーションを下げることはあっても

上げることはありません。

 


勉強においても、生徒の自己肯定感を下げるような言動を続け、

生徒自身、自己肯定感を感じられないようになってしまっては、

勉強に対するモチベーションが上がるはずがありませんし、

勉強に真剣に向き合うことを期待することは非常に困難になってしまい、

「いい授業をめざす」

どころではなくなってしまいます。

 

(特に、いじめや不登校、飲酒・喫煙といったいわゆる非行に走る子供は、自己肯定感が低いといわれています。)

 

その意味で、先生の役目は、生徒に(小さくともいいから)成功体験をたくさん

積ませ、自己肯定感を高めることが最重要であるといっても、

過言ではありません。

 

そのためには、まず、生徒の足りている部分に注目し、それを認め、褒めることから

始めねばなりません。

 

下図②に示すように、先生はまず、

「生徒は欠けているところだらけで当たり前」

と思って生徒をよく見て、その中でも欠けておらず、満ち足りている部分を認め、

特に少しでも先生の期待を上回る部分があれば、しっかり言葉にして褒め伝えること

が必要です。

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そうやって、日々少しずつ、じわりじわりと生徒の自己肯定感を高めるよう

誘導することが、生徒の将来のために最も大切なことかもしれません。

 

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