「記憶」ではなく「印象」に残す授業

元塾講師の綴る、実践に基づいた教育論。日本の教育を、より良くするために。

当サイトの記事は、書籍のように最初から通読いただくことを想定しております。

もしよろしければ、ぜひ最初からご覧いただければと思います。

目次

最初の記事

NLPとは? ~Level1:生徒との関係を構築するNLP~【第2章】【02節】

NLPは、Neuro-Linguistic Programmingの頭文字をとったもので、

日本語では神経言語プログラミングと訳されます。

 

心理学と言語学をもとに体系化された、人間のコミュニケーションに関する学問で、

近年、教育、ビジネス、家庭など幅広い範囲にわたって活用されるようになって

います。

 

Neuro(神経)とは、私たちが五感を通して得た情報から感じること、考えること

意味します。一方Linguistic(言語)とは、逆に私たちが表現する情報のことで、

会話における「言語」はもちろん、「表情」「態度」「声のトーン」などといった

「非言語」の情報も含まれます。

 

このNeuroとLinguisticは密接に関連しています。

 

下の図に示すように、2人の人が一緒にいるとき、

AさんはBさんから得た情報に対し何かを感じ(Neuro)、

それに呼応するようにBさんに対して何かを表現します(Linguistic)。

 

同じくBさんも、Aさんが表現した情報に対し何かを感じ(Neuro)、

それに反応してAさんに何かを表現します(Linguistic)。

 

こうして両者の間で、

  情報を受け取る→何かを感じる→情報を発信する→情報を受け取る→・・・

というサイクルが続いていくのです。

 

f:id:autobiography:20140906194210j:plain

 

この過程で、お互いが”いい感覚”を感じながらサイクルが回るとき、

「良好なコミュニケーション」となるわけです。

 

では、相手との「良好なコミュニケーション」を作り出すには

どうすればいいのでしょうか。

 

コミュニケーションは相手あってのことであり、自分だけの問題ではありません。

しかし、相手の感じ方、考え方、振舞い方を変えることは、

簡単なことではありません。

 

特に、子供が相手ではなおさらです。

 

そこで、まずは自分の感じ方や考え方、あるいは言動や態度といった

情報の発信の仕方を変えることが、良好なコミュニケーションを作り出す

起点となり、維持する推進力になる必要があります。

 

しかし、自分がどう感じてどう考えるか、それに対してどう反応し振舞うか、

といったことは、普段はほとんど意識せずに行われています。

いわば、自らに「プログラム」されているようなものです。

 

そうした、普段は無意識に動いている「プログラム」を、相手との良好なサイクルを

誘導・維持できる動きになるよう書き換え(Programming)、望ましい状態を

作り出すことこそが、「NLP」なのです。

 

こうしてNLPによって相手との良好な関係の構築に努めることで、

徐々にお互いが心を開き、相手との「親近感」を感じるようになります。

さらに、親近感をベースに、次は「信頼関係」が生まれてきます。

この「信頼関係」のことを、NLPではラポールと呼んでいます。

 

様々なNLP技法によって、相手との間に、ラポールという名の、

いわば「心の架け橋」を作るのです。

 

次の記事

NLPの基本前提 ~Level1:生徒との関係を構築するNLP~【第2章】【03節】 - 「記憶」ではなく「印象」に残す授業

 

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...