「記憶」ではなく「印象」に残す授業

元塾講師の綴る、実践に基づいた教育論。日本の教育を、より良くするために。

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目次

最初の記事

ラポールを築く(バックトラック) ~Level1:生徒との関係を構築するNLP~【第2章】【05節】

前節では、親近感を感じてもらうための技法として、ペーシングを紹介しました。

 

次は、相手に

「自分の話をきちんと聞いてもらえているな、理解してくれているな」

といった充足感と安心感を与えるための技法として、バックトラックを紹介します。

 

バックトラックは一言でいうと「オウム返し」です。

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相手の発言の一部やキーワードを繰り返す、あるいは、発言内容を要約して答える、

といったことです。

 

こちらも、1字1句コピーして繰り返すと、逆に不自然となり、相手に不信感を与えかねないので注意しましょう。

 

 

授業中においては、例えばこんなイメージです。

生徒:先生はさっき、こういう問題を解くときには○○に注目するんだ、っていいましたよね。

先生:そうだね、○○が大切だって言ったね。(キーワードを繰り返す)

生徒:ということは、この問題では××が○○になると思うから・・・

先生:なるほど、そんな気がするね。(語尾の一部「思う」を同義語である「気がする」に言い換えて繰り返す)

生徒:そうか、××に注目すると、~~~が▽▽▽になって、▽▽▽が◇◇◇ということになるから・・・。

先生:うん、つまり、・・・・・・・・・・・ということだね。(生徒の発言内容を要約して繰り返す)

生徒:そうそう。だから、○○が◆◆になって、答えは△△になると思います。

先生:そう、答えは△△になります。よくできたね。

 

バックトラックの目的は、相手に

「自分の話を聞いてもらえている、理解してもらえている」

という安心感を与えることです。なので、先生がバックトラックをした後で、

生徒が「そうそう」と同意を示してくれればバックトラックは成功と言えるでしょう。

 

さらに、生徒の話した内容を要約して伝えることで、

生徒の頭の中をすっきりさせる、別の説明の仕方を示す、といった点でも、

授業の質をより高める効果も期待できます。

 

次の記事

リーディングによって、相手を導く ~Level1:生徒との関係を構築するNLP~【第2章】【06節】 - 「記憶」ではなく「印象」に残す授業

 

 

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