鋭利な刃物の扱い方 ~Level1:生徒との関係を構築するNLP~【第2章】【コラム①】
前節
では、いくら正しいことであっても、それを相手に露骨に伝えただけでは、
相手はすんなり受け入れてくれないことを説明しました。
私は、「真実」は鋭利な刃物と同じであると考えています。
いきなり相手に刃物を差し出したところで、相手は防御の態勢に入ってしまいます。
正しいことを伝えるときも同様で、
伝えようとしていることが正しいこと、真実だとしても、
相手は防御の体制に入り、すんなりそれを受け入れられないのです。
なぜなら、相手の言う「正しいこと」を聞き入れ、同意することは、
自分の間違いを認めることにもなるからです。
ですから、相手の自尊心を傷つけることなく、正しいことをすんなり受け入れて
もられるよう、細心の注意を払う必要があります。
相手が「刃物」を受け入れるための準備として、まずはこちらが相手を受け入れ、
心を開かせ、相手リーディングしながら、徐々に刃物をちらつかせていく、
可能であれば、こちらから刃物を差し出すのではなく、
相手に自ら刃物を発見してもらい、自分の物にしてもらう、
そういった気遣いが必要なのです。
特に先生という、生徒に対して正しいことを伝えることを仕事としている人で
あれば、授業はこうした機会の連続です。
面倒くさいと感じられるかもしれませんが、
これはぜひ、「刃物」を扱う人の「マナー」として、
身に着けていただければと思います。
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