「記憶」ではなく「印象」に残す授業

元塾講師の綴る、実践に基づいた教育論。日本の教育を、より良くするために。

当サイトの記事は、書籍のように最初から通読いただくことを想定しております。

もしよろしければ、ぜひ最初からご覧いただければと思います。

目次

最初の記事

生徒が納得できる「正しい教え方」 ~「生徒の印象に残る授業」実践への道筋~【第1章】【03節】

次に必要になるものは、

物事をわかりやすく伝えるスキルです。

 

これは先生という立場である以上、容易に想像できるかと思います。

ただ、

 自分が理解すること

 自分が知っていることを相手に分かりやすく伝えること

は全くの別物です。

 

私は講師をしている場面以外でも、周囲の方から

「Hiroさんの説明はわかりやすい」

と言っていただくことがあるのですが、そんな私でも、相手に分かりやすく伝える

ことは簡単ではないと感じています。

 

しかし、それにはコツがありますし、コツをつかんで少しずつ実践していけば、

誰でも徐々に教えることが上手になります。

 

なにより、

「相手に納得してもらうには、どう説明すればよいだろうか」

と説明する側が考えることで、先生本人の、言わば「頭の体操」になります。

 

教える1つの対象に対して、いろいろな見方ができないかと考えを巡らせることで、

生徒だけでなく先生の頭もよくなるのです。

わかりやすく伝えるスキルに感しては、第3章で説明します。

 

下記に、生徒との良好なコミュニケーションをとることの効果、

および正しい教え方で説明することの効果を図示しました。

 

先生から生徒に向かう矢印は、先生が生徒に何かを伝えようとしていることを

表しており、矢印の太さは先生の説明のわかりやすさを表しています。

この矢印が、生徒の心に届けばいいのですが、

その前には生徒の心の壁が立ちはだかっています。

 

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生徒とのコミュニケーションがうまく取れていない状態、

つまり生徒の心を開けられていない状態では、

いくら先生がわかりやすい教え方ができていても、

生徒の頭(心)には入っていきませんし、

印象として残る授業にもなりません。

 

逆に、コミュニケーションはうまくとれていても、

正しい教え方ができていない、もしくは伝えるべきことが伝えられていなければ、

生徒は塾に来るのが楽しいかもしれませんが、

授業内容を通して理解してほしい点を十分に理解してもらうことは難しく、

いまいち印象にも残りずらい授業になってしまいがちです。

 

「生徒との良好なコミュニケーション」と「正しい教え方」の2つが両輪となり、

いい授業を創り上げることができるという点を、

ぜひ心にとめていただきたいと思います。

 

 

 

 

さらに付け加えると、以上の2つ

「コミュニケーションスキル」

「正しい教え方」

は、先生・講師として必要なスキルである以前に、

人として社会を生きていくうえで非常に大切なスキルです。

 

仕事でもプライベートでも、自分と周囲の人がかかわるときには必ず

「コミュニケーション」

が発生しますし、その際に自分の考えを相手に伝える機会があれば、

「正しい教え方」

に従って伝えることで、自分の考え方を正しく、わかりやすく相手に伝えることが

できます。

 

これらのスキルは、1回1回の授業をスムーズに進めるために用いられるだけでなく、

先生自身の普段の生活、人生をもより良い方向に変えられる力を秘めていると

確信しています。

 

生徒のためにも、ご自身のためにも、この2つのスキルは是非意識して

身に着けていただくことをお勧めします。

 

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