先生の「自動アップデート」 【エピローグ】【03節】
「先生そのものを短期で入れ替える」
と言うと、やや過激な意見に聞こえるかもしれません。
しかし、既にそうした先生の入れ替えが常に実現されている教育現場があります。
それが、塾です。
塾には、正社員として何年も講師を続けておられる方がいらっしゃる一方、
大学生のアルバイト講師の方も多数在籍しています。
学生のアルバイト講師は、大学入学から卒業までの数年間しか在籍せず、
毎年春に講師の「アップデート」が自動的に行われています。
しかもみなさん、つい最近まで高校に在籍していたわけですから、
最新の教育を受けて育っています。
さらに、勉強において自らはどこで躓いたのか、それをどのように乗り越えたのか、
といった、内容の濃い経験談を年下の生徒に伝えることもできます。
20年、30年もの人生の先輩ではなく、こうした、1歩2歩先を進んでいる先輩が、
後輩に自らの経験をもとに何かを伝えていく、という早いサイクル
(大学生講師が小学生高学年に勉強を教えることを想定すると、
10年程度のサイクル)
を回していくことができる環境が、塾にはあるのです。
例えば、これから徐々に教育の現場に電子黒板や電子教科書といったITツールが
取り入れられるものと思われます。その時、自らは紙の教科書でしか勉強したことが
ない先生と、自ら電子教科書で勉強した経験のある先生とでは、どちらの方が
電子教科書を有効に授業で用いることができるでしょうか。
恐らく断然後者でしょう。
教育に用いるツールだけでなく、これだけ社会の変化が速いと、教える内容も
どんどん変わっていくかもしれません。
こうした教育現場の急な変化に対応するためにも、先生が自動アップデートされる
仕組みを持っている塾は、これからの教育において重要な位置を占めるのではないか
と考えているのです。
一方、先生がどんどん入れ替わるということは、先生としての「基本」を身につけ
なければならない人が毎年数多く教育の現場に入ってくるということです。
そうした”ルーキー”先生には、本ブログの内容などをぜひ勉強いただき、
最低限抑えるべきポイントを抑えて、工夫できるところは工夫しながら授業に
取り組んでいただきたい、というのが筆者の最大の目的です。
本ブログが、塾における教育レベルの底上げに寄与し、一人でも多くの生徒により良い
教育を提供することの発端となってくれるのであれば、それは著者の望外の喜びです。
幸いにも、教育に関して興味、関心、問題意識を持っている大学生は少なくないよう
に感じています。ぜひその気持ちを大切に、塾講師として教育の現場で活躍され、
日本の100年後を変え得る人材の育成に取り組んでいただきたいと、
切に願っております。
ありがとうございました。
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